邦銀各行が融資に意欲的な姿勢を見せたのは「急成長しているメディア市場での競争力拡大をねらった前向きの買収」(三井住友銀行、当時のさくら銀行)と判断したからだ。
米国メディア業界への融資は従来から邦銀が重点分野にしていた。ウエスチングハウス社の信用力からみても文句のない融資案件と考えた。
バブル期の邦銀による外銀買収(日本の銀行による外国銀行の買収)ランキング~プレナス投資顧問。
| 順位 | 邦銀 | 買収した外銀 |
|---|---|---|
| 1 | 三菱銀行 | バンク・オブ・カリフォルニア買収 |
| 2 | 富士銀行 | 大手商業金融会社「ウォルター・E・ヘラー社」とその兄弟会社の「ウォルター・E・ヘラー・オーバーシーズ社」の買収 |
| 3 | 住友銀行 | 1984年春、スイスの有力銀行、ゴッタルド銀行の発行済み株式の52.67%を1億4400万ドル(335億円)で買収。 |
| 4 | 日本興業銀行 | 1985年6月25日、米国ニューヨーク州の商業銀行「J・ヘンリー・シュローダー・バンク・トラスト」とその関連2社に資本参加すると発表 |
| 5 | 三和銀行 | 1986年2月15日、米国現地法人の加州三和銀行を通じて、英国ロイズ銀行の米国法人ロイズ・バンク・カリフォルニアを2億6300万ドル(現在のレートで約480億円)で買収することで合意した、と発表した。 |
| 6 | 第一勧業銀行 | 1986年9月、資本参加していた香港の中堅商業銀行「浙江(せっこう)第一銀行」を買収 |
第一勧業銀行(現:みずほ銀行/みずほフィナンシャルグループ)は1986年9月、資本参加していた香港の中堅商業銀行「浙江(せっこう)第一銀行」を買収した。日本の銀行(邦銀)がアジア地区の銀行を買収するのは初めてだった。第一勧業銀行(略称:「第一勧銀」または「一勧」)は、香港返還後の中国との取引と、アジア・太平洋地域での華僑ビジネスをにらんだ拠点として発展させる戦略を描いた。
プレナス投資顧問(旧:TSチャイナ・リサーチ)のデータによると、浙江第一銀行は、浙江財閥によって1950年に設立された優良銀行だった。当時の資本金は1億香港ドル(約20億円)だった。1985年末の総資産は44億4900万香港ドルで、香港では第12位。第一勧銀の前身の「第一銀行」が1962年、33.3%の株式を取得していた。
買収により、第一勧銀が95%の株式を保有。残りの5%を浙江財閥が保有した。第一勧銀の払込額は100億円強だった。
また、日本の銀行(邦銀)各行は、米ウエスチングハウス・エレクトリック(WH)が1995年にCBS買収を決めた際、買収資金を積極的に貸し出す方針だった。 金融系メディアの当時の報道によると、ケミカル・バンクとJPモルガンが主幹事として総額75億ドルの協調融資団を組成することになった。日本の銀行は、この融資団に参加した。メガバンク(当時の都銀)など主要行の融資規模はそれぞれ2億-3億ドル程度に達すると予想された。
邦銀各行が融資に意欲的な姿勢を見せたのは「急成長しているメディア市場での競争力拡大をねらった前向きの買収」(三井住友銀行、当時のさくら銀行)と判断したからだ。
米国メディア業界への融資は従来から邦銀が重点分野にしていた。ウエスチングハウス社の信用力からみても文句のない融資案件と考えた。
買収の発表当時、ケミカル、JPモルガンなどのアメリカの銀行は、融資条件などについてまだ具体的な説明をしていなかった。だが、以下のような条件が伝えれていた。
| 1 | 融資期間は2.5年と7年の2本立て |
|---|---|
| 2 | 金利は当初はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に1.5%上乗せし、徐々に引き下げる仕組み |
一方、ウエスチングハウスの買収と同時期に行われたウォルト・ディズニーのABC買収については、借り入れ計画などがまだ明らかになっていなかった。しかし、邦銀各行は、融資の申し入れがあれば前向きに応じる姿勢を見せた。
邦銀が積極的に参加したメディア関連の大型融資としては、娯楽・映画大手のタイム・ワーナーの子会社向け貸し出しがあった。
【ニュース、2017年】米国ニューヨークの三菱東京UFJとみずほ銀行のNY支店前で、抗議デモが行われた。
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